これ、1970年リリース、ブエノスアイレスで録音された疑似ライヴ盤。ライヴ録音がうまくいかなかったから、スタジオ録音したものにライヴ時の拍手をミックスしたとか。それにしても、めっちゃええやないか。この時代の空気と楽曲と演奏が見事に一致し、無二の音楽を聴かせる。
メンバーはVinicius de Moraes、Maria Creuza、Toquinho。あとドラムがEnrique Roizner。
ギター弾きの目線では、Toquinhoのギターがとても勉強になる。このような編成において、ギターが何をどのように語るべきなのか、どういう存在であるべきなのかの見本。自由なようで身勝手ではなく、見事なグルーヴを生み出すコンピング。ちょうどいい具合のオブリガートのブレンド。
昭和歌謡にも通ずる楽曲も、耳に馴染む。さすが名盤、良い意味で古さを感じさせつつ、輝きを失わないのよね。