清水くるみカルテットのライヴ＠アケタの店。西荻窪の伝説の店で、以前から、その昭和な感じの店名が気になって仕方なかったのだが、遂に訪問することができた。ちょうど、清水くるみカルテット＋１のアルバムのレコ発記念ライヴが開催されるので、これはちょうど良いチャンス！ということでお邪魔してみた。
西荻窪駅前で軽食を摂り、とりあえずの晩飯とする。アケタの店は、駅から徒歩約３分。便利な所にある！迷わず店の看板を発見。何とも昭和な感じの佇まいが、たまらない。
この後、入り口は序の口であったことが発覚。地下一階に下りる階段から店の扉を見下ろした景色、これ、完全に大学の部室の雰囲気。黒い壁、やや暗い灯り、所狭しと貼られたチラシ。完全に学生時代にタイムスリップしてしまった。見学のため初めて訪問してみる部室の感じ。興奮を抑えつつ、扉を開けて店に入ってみたら、そこはトイレであった。焦って右隣を見たら、それが目指すべき店舗であった。・・・！と思ったら、それも違っていて、トイレの左隣こそが、店舗であった。
もう興奮は止まらない。この、迷宮に翻弄される感覚。あぁ間違いなく大学の部室や～。そんなわけで無事に（？）店内へ。店内も、想像を上回る昭和の空気が充満する空間。古めのカーペットの上で椅子が約20脚、ステージを向いて並んでいる。壁際にも、座席と座布団がいくつか。これからアングラ演劇が始まるのではないかという空気。
アケタの店は、1974年にオープンだから、45年の歴史を刻んだということになる。当時のことは知らないが、想像するに、ここには45年前のオープン時と同じ空気が流れているのではないか。歴史あるジャズバーやジャズ喫茶が徐々に閉じてゆく中で、この生き生きとした生命力には感激、感謝すらしてしまう。
ビールを飲みながら、この何とも言えない空気を噛みしめる。８時になり、開演。清水くるみカルテット、メンバーは清水くるみ(pf)、津上研太(as)、石川隆一(ba)、力武 誠(dr)。ステージとの距離が近いから、ほんとに贅沢なライヴだ。
セットリストは、自分では記録していなかった（知らない曲も多かった）が、ここで知り合ったS田さんに教えていただいた。ありがとうございます！
1-1. Stolen Moments / Oliver Nelson
1-2. City of Peace / George Adams
1-3. Ask Me Now / Thelonious Monk
1-4. Cravo e Canela / Milton Nascimento
2-1. Three Views of a Secret / Jaco Pastorius
2-2. San Francisco Holiday / Thelonious Monk
2-3. Taxi Driver – Main Title / Bernard Herrmann
2-4. Juju / Wayne Shorter
何とも硬派なセットリスト。そして、硬派な演奏。ハードボイルドというのだろうか、このサウンドを言葉で表現するのは難しいが、とにかく魂の叫びと音楽の悦び、生命力を感じる凄い演奏。ヒートアップしても美は決して壊さない。ミュージシャンが命懸けで創造をしようとするパワー。このアケタの店の空気と相まって、興奮が興奮を呼ぶ。オールナイトで聴くか、泊まっていきたい気分やな、これは。
